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2014年度入ゼミ選考面接試験について
慶應義塾大学経済学部 別所俊一郎研究会
A日程・B日程を問わず,入ゼミ選考では面接試験を行います.教員と学生のあいだには相性の問題があります.ゼミは少人数で2年間を通じて行いますから,どんなに学術的な興味が一致していても,性格的に合わなければ悲劇です.面接試験は,短い時間ではありますが,そのような悲劇を避けることを目的としています.もう一つの目的は,ゼミ生の多様性をあるていどは確保することです.
面接試験で質問することはだいたい決まっています.
- 最初に,志望動機について簡単に説明してもらいます.
- ゼミの必修科目である,火曜1・2限のStata演習に出席できるかどうかを尋ねます.出席できないときには評価はかなり下がります.
- A日程の学生に対しては,筆記試験の出来,自己評価,感想について尋ねます.過大評価・過小評価をしていないかを確認するためです.
- B日程の学生に対しては,A日程の志願先を尋ねます.三田で勉強・研究したいことが決まっていれば,A日程とB日程の志願先はおのずと似たような研究領域を持つ教員になるはずだからです.A日程の志願先の教員と私の研究テーマやスタイルが著しく異なっている場合,志願理由をもういちど説明してもらいます.「2つやりたいことが候補に挙がっていて,A日程ではこれこれのことを目指して誰それのゼミを志望したのですが,落ちてしまったので,もうひとつやりたかったこれこれのことを勉強しようと思って」というのでもかまいません.かまいませんが,レポートがよほどしっかりしている必要があります.
- 日吉でのミクロ経済学・統計学の成績について尋ねます.成績が悪かった場合,なぜ悪かったのかを聞きます.私のゼミはミクロ経済学と統計学を用いますから,これらの科目について全く理解できなかったとか,全然興味が持てなかったとか言われると,ちょっとがっかりします.英語についても質問することがあります.
- 志望動機レポートの内容について質問をします.テーマを選んだ理由や,知っている周辺事情について尋ねます.ぼんやりしたレポートのばあいには詳細を説明するように求めます.志望動機レポートの内容によっては,「なぜほかのゼミを選ばなかったのか」を質問することがあります.たとえば,財政であれば土居ゼミ,政治経済学であれば寺井ゼミ,都市系であれば直井ゼミ,応用統計分析であれば中嶋ゼミ,社会保障論であれば駒村ゼミや山田ゼミなど,近い分野を扱っているゼミはいくつかあります.
- 「なぜほかのゼミを選ばなかったのか」という質問に対して「こっちのほうが競争率が低くて,応募者のなかでは相対的に上位にいけそうだったから」などというホントの理由を答えてはいけません.似たような研究テーマや手法を使っている教員同士でも,得意分野や思想信条やゼミの運営方針には違いがあります.その違いを踏まえたうえで回答することが望ましいでしょう.教員の多くは自分の研究テーマや業績をネットに公開していますから,確認しておきましょう.
- 体育会を除いて,日吉で努力してきたことについては聞かないことが多いです.ただし,資格試験のダブルスクール等の事情があるときには,ゼミを続けられるかどうかについて具体的な説明を求めます.
- ゼミに対してどういう点で貢献できるかを尋ねます.ゼミは受け身の講義ではありません.自発的に動かなければ得るものはありません.
- 最後に,学生の側から質問があるかどうかを尋ねます.とくになければなくてもかまいません.面接試験では,「質問がありますか」に対して何か言わなければ評価が下がりがちですが,評価自体は面接試験全体を通じて行っていますので,この質問に対する評価だけが重いウェイトをもつわけではありません.
学生の皆さんにはぜひ知っておいてほしいのですが,われわれ教員は,学生がそれぞれの興味や相性に沿ったゼミに所属して,充実した学修を進めることを強く希望しています.入ゼミ試験は,学生が三田で充実した生活を送るための助けとなるものです.